1/15(水)書道 ✗ マインドフルネス ✗ 発達障害

 

 我が国にもマインドフルネスが広く知られることとなり、ストレスや不安の解消のために一般の方でも取り組む人が増えつつある。しかし、そこで紹介されているのは、自分でできる瞑想が中心である。これにヨガのような簡単な身体動作を行うものがマインドフルネスのように受け止められ、広まっている。

 

 しかし、英語の論文等で紹介されている、より精神医学的な臨床症状や発達障害等の先天的な特性が変化するプログラムの場合は、「注意のマネジメント」ができるようになるために、専門家の指導により継続的に訓練するよう介入しているものが大半である。

 

 我が国では、このような臨床的な研究プロジェクトやプログラムが殆どないことや、病気や障害のレベルに至るかどうかは明確ではないレベルの人たちの自己研鑽のメソッドとしては、いま一つ物足りなく、ニーズを満たせていないのが現状のようである。

 

CSS ○日本の「道」とマインドフルネス

 日本の「○○道」にとされている心身の鍛錬は、認知神経科学的に見れば、この「注意のマネジメント」を行うものとも言えます。

 瞑想的な要素を、インドや東南アジアで発達した瞑想のよう安座して、ではなく、より日常的な動作の中に取り入れ、生活の中で、自分や他者、場や環境に対する注意をセルフ・コントロールする力を高めることで自他と調和する人間性を養うものになっています。実際、マインドフルネスの指導で高名な識者で、そのことに言及されている方は、少なからずおられます。


 ただ、それが「○○道」という訓練体系の外で、レッスンとして体系化されたものは見たことがないため、私は、自分が長らく鍛錬してきた合気道という「注意(気)のコントロール」の思想と実践体系をベースに、これを書道、舞踊、香道、華道などの専門家に意見を頂きつつ、これらの「○○道」を横断的にとらえ、10年ほど前に、早稲田大学の全学共通の教養講座として、英語で講義をしたことがあります。


 「動きの軌跡を意識する」が横断的に共通したレッスン課題であり、書道に絞った講義では、日本を代表する3名の大家へのヒアリングを通して、「筆で書くことは軌跡の可視化」、「踊りは立体化した書道」といったコンセプトを打ち出して、メソッド化したことがあります。

 

○「字など、どうでもいい」という小学生の息子が、書道を面白がる

 その後、特に広めてことなったのですが、小学6年生の次男が冬休みの宿題として、書き初めの宿題が出たので、昔、大学生等に教えたメソッドを、このお正月に初めて教えたところ、手に書けたことに驚きました。

 

 日頃は、鉛筆で書いた「連絡帳」の字が汚くて、すこし直そうとしたらとても嫌がり、テストでも字が丁寧でないために、減点されることが多い人間です。この宿題も、最初は、「1枚、何でもいいから書けばいいから、すぐに終わる」と言っていたのに、説明をしたら興味を持って、自分から練習を重ね、宿題として出したものは、納得がいかないと残念がっていたほどです。登校後、学校でも書く機会があったそうで、「今度は絶対、うまく書けた!」と、夕方、とても嬉しそうに報告してくれるまでに。

 

○子どもに教えたこと

 その多くは、自分の母親(アマチュアながら書道の研究家)から教わったことですが、斬新な点があるとしたら、トメ、ハライなどの筆や硯の使い方の基本、姿勢など伝統的な作法を、物理など科学的に説明したこと。

 また、次男は、昨年から合気道(闘いがなく、調和を目指すので、踊りとも言える)を始めたため、そこで彼が好きな技と筆の動きの共通性を見つけ、「踊り(体の動き)を平面に表すのが書道だ」、「だから、注意の使い方は、基本、同じだぞ」などといった、説明をしたことが、興味をそそったようです。

 

 そこで、10年ほど前に、かなり真面目に、徹底的に分析してメソッドにしてみた「注意のマネジメント」のメソッドは、日本での生活の中で自然に自己研鑽でき、効果がありそうだとしたら、もっといろんな方に知ってもらいたいと考え、また書き初め気分が残る間に、紹介しようと考えました。

 

 おそらく継続しないと効果はでないことや、効果のためのメカニズムは科学的に説明できても、エビデンスはまだ確立しているとは言えず、レッスン料は頂けませんから、どなたでも気軽にご参加ください。

 

○当イベントでの対象者について

・今まで、日本で紹介されてきたマインドフルネスでは、どこか物足りないと感じておられる方
・書道を始めとする「〇〇道」という和のアプローチを科学的に理解し、その観点から自己研鑽したい方
・自分の非定型的な発達の特性の一部のマネジメントを、薬や医学的なプログラムではなく、文化的なお稽古の中で行っていきたい方

 

○当イベントの詳細について

【話者】この案内を書いている者(文末をご参照)とその次男(11歳)

【日時】2020年1月15日(水)18時~20時
 イベントスペースは21時まで利用できるようですが、息子は翌日、学校があるので、20時頃には親子で失礼します。

【場所】Neccoカフェ(2階)大テーブル
     東京都新宿区西早稲田2-18-21 羽柴ビル 202号室

【参加費】無料
 ただし、イベントスペースへの入場料300円はカフェにお支払いください

【持ち物】 筆、半紙、墨汁
 半紙や墨汁はNeccoカフェで用意されているようです。ただ、筆は、なるべくご自分のものがある方は、持参されるといいと思います。なお、墨で汚れても良い服で来てください。

【主催者】大賀英史

※16時ごろから18時について
 会場には、準備などのために、カフェには16時頃には顔を出します。
 イベントが始まる18時までの間は、不登校や引きこもり、学校を先生たちとともに変えること、不登校でも出席の単位と認められやすいICT教材など教育の問題について、その場の流れで、自由にお話させていただけます。

 

○大賀英史 プロフィール

 東京メディカル・マインドフルネス・センター代表。
 専門は生活習慣病予防のための行動変容、地域精神保健、発達障害を持つお子さんの子育て等。博士(医学)、修士(教育学)、保育士、社会福祉士。
 合気道(三段位)。国立健康・栄養研究所(室長)、日本マインドフル・ライフ協会(常任理事)、早稲田大学、共立女子大学、関東学院大学等の講師としてマインドフルネス、健康科学、小児保健等を教える。精神科疫学や発達障害、ソーシャル・キャピタル等に関する日英の論文多数。

 

 訳書に、ティック・ナット・ハン、リリアン・チェン著『私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方 (仏教とハーバード大学が勧めるマインドフルネス) 』(原題 Savor)。

 

 現在は、不登校や学校がツマラナイと感じている子どもが、住んでいる地域の再生に役立てる場所の中で成長したり、オンライン上で世代や地域が離れた場所で出会う人々の中で、自分の生き方を見出すための親子向けの学び場を準備中。

 

CSS 「大人の発達障害当事者のためのピアサポート」であるNeccoカフェで行うきっかけについて

 昨年の11月に、本件とは全く別の集会を、この施設を運営されている発達障害当事者協会の方たちご一緒することになり、Neccoカフェのことを知りました。

 HPを拝見したら、毎年恒例で、誰もが書き初めができるようにご用意されていることを知り、今月は15日(水)までのご予定だったので、それに滑り込んだというのが実情です。
 ただ、発達障害は、ワーキングメモリの働きに特徴があり、その特性をマネジメントするならば、私が開発してきた「注意を意識するメソッド」は、きっと役立つことが理論的にも予想され、「動きの軌跡を意識する」書道は、その中でも特に有効性が高いと考えたので、本来、どのような方に参加いただいても興味を持ってもらえる内容ですが、日頃、このカフェに出入りされて来た方にも、おそらく喜んでもらえると考えて、この場所を使わせてもらうことにしました。

 

 


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